気象観測測器紹介

防氷型風向風速計

 高山の観測地点等で風速を測定する際、過冷却状態の雲粒が物体に当たった瞬間に凍結して霧氷や樹氷、粗氷となり(着氷)、風向風速計が氷塊と化して風向風速の測定が困難となることがある。そのため、風速測定部分にヒーターを入れる等を施し、着氷を防ぐ、または、着氷したとしても溶かしてしまう加工をした風速計を用いてこれに対応している。

  • プローブ先端の測定孔周辺を加熱して、着氷雪を溶かしている。
  • 動作原理は差圧式(ピトー管原理)であり、プローブ先端の測定孔により測定しており、可動部分がない。
  • ヒーターの消費電力は100〜300Wである。
『通常の状態』 『着氷した状態』
測定孔部分は、ヒーターにより溶けている。
 
  • 回転部円周の内側にヒーターが入っており、着氷雪を溶かしている。
  • 風速と風向別々に測定するようになっており、風速の動作原理はパルス発生式である。
  • ヒーターの消費電力は100〜1500W。
 

  • 超音波風向風速計の防氷型のもの
  • プローブ部分をヒーターにより加熱し防氷している。(周囲の温度が6℃以下になると、ヒーターONとなる仕組み)

 
参考文献:わかる気象測器 渡邊清光 平成2年初版コピー版