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  ごあいさつ
 

 構造物の設計・運用を始めとする工学的行動と気象現象は、極めて密接な関係にあります。
 例を挙げれば、送電線路を始めとする構造物は、風・雪・着氷及びそれらの重畳のような気象に関連する外力から機械的設計に使用する荷重が決定される場合が多く、その他にも着氷して断面形状が変化した状況に風が吹くと、電線の揚力特性がギャロッピングを発生させることがあります。
 また、海からの強風で海岸に生じた海水のしぶきが送電線路のがいしに付着すると塩害を招いたり、雷が絶縁にフラッシオーバをもたらすことがあります。
 以上は、送電線路と気象現象の間に発生する一部の例に過ぎません。しかし、これらの例からも構造物と気象現象との関係が非常に密接であることがわかります。
 気象の知識を構造物の設計や運用に役立てるには、気象学の知識や一般に計測されている気象データだけでは不十分であり、これらを工学的行動に役立てるように加工することが必要不可欠です。
 そしてそのためには気象の知識ばかりでなく、工学そのものの知識も要求されます。
 そしてそこにニーズに応じた気象データの活用の方法や、手順が生まれます。事実、最近海外では送電線路の設計を含めた電力施設及び建築・土木工学のあらゆる分野において、既存の気象データを活用して機械的設計のための荷重を求める手順が採用され始めています。
 当社はこのような気象の知識を工学的行動に役立つように加工する問題を探求し、その研究成果に基づいて工学の世界に少しでも貢献することを目標としています。そしてこれが社名を工学気象研究所とした理由でもあります。
 この大望ともいうべき目標を達成するために、我々が努力することはもとより、皆様にご指導をいただき、さらに共同による研究をさせていただくことによって少しでも目標に近づくことが大切であると考えています。
 何よりもお客様のお役に立ちたい、これが当社の念願とするところです。
 なにとぞ今後ともご指導並びにご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせは info@kougakukishou.co.jp までどうぞ。