架空送電線の建設ルートは急峻な山岳地など実に様々な地形を通過しています。
設備の耐風性や絶縁協調を考える上において、また、送電設備の健全な維持管理のためにも、建設地点の強風の発生状況を把握することは重要であり、現地における長期観測により、必要なデータの収集を計ることが行われています。
近年では、送電用支持物の風荷重の検討において、従来の10分間平均風速をベースした設計手法に代わり、気象庁の保有する最大瞬間風速を利用する方法も提案されてきています。
しかし、両者とも観測方法および観測技術の進歩に伴い、風速計の型式や記録計のデジタル化が進んでおり、風速計の応答性や記録方式の違いなどから得られる風速値が異なっていることが考えられます。
そこで、過去や現在に観測が行われている地点から得られる観測データを評価するために、風速データの基準化に必要な補正係数を求めることを目的として、自然風における比較試験を行いました。 |